2005 06 / 16
退職と離婚
あなたは「退職届」を人生で何回書いたことがありますか?
ちなみに私は過去に2回(たしか)。 一回は保留にされ、二回目で受理された。
これって「書き慣れる」類のものではないから
(どうやって書くんだ?)
と、最初は求人情報誌の後ページのサンプルとか社会人のマナーブックなんかおもむろに開いて、 何度か書き直しをした。
便せんはどんなものを使用し、ペンは?封筒は?
と、これはこれでなかなか手間暇のかかる作業である。
そしてまた、短い文面ながら書いている最中脳裏には、もの凄い葛藤や苦悩が渦巻いている。 職務経歴書が「棚卸し」ならば、「退職届」はさしずめ「閉店大処分」みたいなものかもしれない。
また、退職とは非常にエネルギーを要する作業である。 「結婚より離婚が大変」とよく言うがちょっとそれに似ているのではないか? と、不謹慎ながら考えたりもする。 入社の時には、あんなに夢と希望に胸をふくらませていたのに今では出社する事すら苦痛で、 朝を迎えるのが辛い。 こんな日が訪れるなんて・・・あの日に帰りたい。 会社への離婚届=退職届、まさに男女の関係そのものである。
またその退職届をいつ、どのタイミングで冷め切った関係の上司に渡すか? これまた非常に難しい課題であり、某堀江なにがしとは逆の「想定外」の動きになってしまう。 (急な来客、上司の出張、なかなか人の目が少なくならないなど)
運命の封筒をポケットに忍ばせつつ、いつの間にか数日が経ってシワシワになっちゃったり。 そうしているうちに、一時期の「辞めてやる!」と最高潮だったボルテージが下がってきて、 「もう少し何とかなるかなぁ」と持ち直してきたり。
今では笑い話だが、当時は本当に苦悩の連続の日々であった。
この先再び、あんなモノを書くのはご免である。