2006 03 / 28
「まちの古本屋」
最近、近所に小さな古本屋が出来たのでずっと気になっていたのだが、先日初めて店に入ってみた。 店舗の作りはいたって平凡だけれど、予想以上に自分好みのラインナップで、すっかりその店が気に入ってしまった。 | 古本ではありませんが・・・。 |
なんといっても「えっ!?なんでこれが中古で出ちゃうわけ?」と驚くような本がゴロゴロ並んでいるのだから、さして本好きでもない自分も舞い上がってしまう。 短い時間で2冊のハードカバーを選び、店主らしき中年男性の待つレジへと向かう。 こういう瞬間、一般の書店よりも古本屋はなぜか緊張する。新しい本と、古い本を買うのは、値段や本の状態以外に、「何か」が作用している気がするのだ。 |
買う人間のセンスが、新書以上に求められるような・・・(単なる自意識過剰か?)。
そんな私の妙な心情など勿論、知るよしもなく、店主は2冊の本を静かに紙に包んだ。
古本屋の店主らしく、余計な愛想もふらず淡々とした佇まいがこれまた良い。
よく「本棚を見ればその人の人格がわかる」と言われるけれど、この店のラインナップは店主の趣味なのか、単にこの周辺で古本を集めたら“こんな感じ”になったのか。
その後、店のHPを発見。http://www.bvsbooks.com/
ブログを読んでみると店主は意外と若く、独立開業派で、オープンまでに大変なご苦労(心労?)をされたようだ。初めての自営業は寿命が縮まるような思いをするというが、この店も難産の末誕生したようだ。しかしその苦労の成果が、きっと将来現れてくることと期待している。
今後は均一的な大型店だけでなく、このような小さくても個性的な店舗がたくさん誕生してほしい。何か「応援したい」と地元の消費者に思わせるエネルギーが、こういった個人商店には存在する。それがかつてどの地域にも当たり前にあって、人々を活気づけ、結びつけていたのかもしれない。